21基全体の更新時期、毎月の負担、資産価値を考える補足資料です。
完全比較資料(v9.1)で今回の工事費を確認したあとに、マンション全体21基の「次の更新がいつ・どれだけ重なるか」と「各世帯の毎月の負担がどう変わるか」を議論するための補足資料です。
三菱製の油圧式は14基ですが、2027年12月末で一部保守部品の供給が終わるのはそのうち7基です(JES回答・三菱見積の両方で一致)。残る7基は竣工が新しく、今回の期限の対象ではありません。
帯は各グループが「油圧式/ロープ式」のどちらで動いているか、その下の山は工事費の大きさです。3つの案で山の位置と高さを見比べてください。
31年間の総額を、今回の工事費・保守費・修繕費(契約外)・電気代、そして将来の更新工事に分けました。期間外(2058年以降)の更新は含めていません。
工事費は一度に払うのではなく、借入の返済や将来に向けた積立として、毎月の支払いに少しずつ上乗せされます。保守費と電気代は管理費、工事費は修繕積立金から出るのが一般的です。その合計が「今よりいくら増えるか」を、年ごとに計算しました。
同じ工事費でも、どう分けるかで各世帯の負担は大きく変わります。まだどちらにするかは決めていません。2つの方法を並べて、みんなで比べるための表です。
「エレベーターは共用設備。全員で等しく負担する」という考え方。どの棟の世帯も同じ金額です。
「各棟のエレベーターの費用を、その棟の世帯で分ける」という考え方。基数が多く世帯が少ない棟ほど重くなります。
マンションの値段は「立地・築年数」だけでなく、「管理の状態」で大きく変わります。買う人や銀行は、修繕積立金の水準、長期修繕計画、一時金の予定、設備の安全性を見て判断します。エレベーターの選び方は、毎月の負担だけでなく、この資産価値にも関わります。
| 視点 | 買う人・銀行が見ていること | チュリスで確認したいこと |
|---|---|---|
| 修繕積立金の水準 | 国のガイドラインの目安と比べて低すぎないか。低すぎると「将来の値上げ・一時金」の心配として見られる | 下の3で、わが家の積立金を目安と比べる |
| 長期修繕計画 | 30年以上の計画があり、5年ごとに見直されているか。大きな工事の山と、その資金の手当てが書かれているか | エレベーターの方針(A・B・C)を計画に反映できているか |
| 積立金の残高と不足 | 計画に対して積立が足りているか。足りない分を一時金や借入でまかなう予定があるか | 残高と、エレベーター予算5,080万円との差 |
| 滞納・総会の運営 | 管理費の滞納が少ないか、総会が毎年開かれ、決めるべきことを決められているか | 今回の決定そのものが「決められる管理組合」の実績になる |
| 第三者の評価 | 国の「管理計画認定」や、業界団体の「マンション管理適正評価(星の数)」。不動産サイトにも表示される | 認定・評価の取得を検討する |
油圧のまま延命すると、戸が開いたまま動く事故を防ぐ装置や耐震基準が「既存不適格」のまま残ります。違法ではありませんが、買う人や高齢の家族を持つ人には気になる点です。
売るときには、管理組合の予定(一時金の徴収や積立金の値上げ)が買う人に伝わります。予定が大きいほど、値下げ交渉の材料になります。借入や計画的な積立で「急な負担」をなくすことが大切です。
国は2024年に、段階的に値上げする場合でも「最初は平均の0.6倍以上、最後は1.1倍以内」に抑える考え方を示しました。今安くても、急な値上げが控えていると評価は下がります。
国の管理計画認定を受けると、買う人のフラット35の金利が下がります。買う人が借りやすい=売りやすいマンションになります。
ロープ式への工事は1台35〜50日、終日止まります。4〜5階に住む高齢の方には大きな負担です。階段の手すり、買い物の手伝いなど、工事中の支えを計画に入れることも「住み続けられる価値」です。
15棟あるチュリスでは、分け方によって特定の棟の負担が重くなり、その棟が売りにくくなる心配があります(Page 06)。2026年4月施行の改正区分所有法で、総会の決め方も変わりました。
目安は国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(2024年6月改定)の、20階未満・機械式駐車場を除く値です。計画期間全体の平均額の目安で、エレベーター更新を含む長期修繕計画全体の費用をまかなう水準です。
増える金額を、空いている土地や駐車場、住民の力を活かした収益で少しでも埋められないか。どの案の負担を相殺するかを選んで、各仕組みの規模を動かしてみてください。
事業者が車両・看板・運営費を負担し、管理組合は区画の賃料を受け取る形。賃料は周辺の月極相場から事業者が提示。マンションではセキュリティエリアの外に置くことが条件です。
住人専用カーシェアでマイカーを手放す世帯が増えれば、空いた区画をここに回せます。住人専用カーシェア自体は、収益よりも住民の車の維持費を減らす仕組みです。
住民には外注費の7割を支払う前提。差額の3割が管理組合の削減分、7割が住民(年金暮らしの方も含む)の収入になります。外注費は要確認の仮置きです。
希望者だけが参加し、得意なことを住民どうしで頼み合う仕組み。管理組合の収入は小さく、主な価値は住民の収入とつながりです。
| 判断軸 | A 油圧延命(JES) | B 一括ロープ式化 | C 段階ロープ式化 | 読み方 |
|---|---|---|---|---|
| 今回の費用を抑える | ◎約1.55億円 | △約3.0〜3.3億円 | ○今回は約1.5〜1.6億円 | C案は今回の支出をA案並みに抑えられる |
| 2027年末の期限 | ◎1台約9日 | △14基を年内は困難 | ○7基に集中できる | 三菱の工程でも7基の完了は2028年1月頃 |
| 20〜30年後の山 | △14基の再更新が来る | ◎次の山を先送り | ◎山を2つに分散 | この資料の中心論点 |
| 毎月の負担の安定 | △再更新に向けた積立が重い | ○最初の返済期間が重い | ○残り7基の積立期間が重い | Page 05で年ごとに確認 |
| 安全基準・既存不適格 | △戸開走行保護・耐震は残る | ◎解消 | ○順次解消 | 説明時に隠さない項目 |
| 資産価値(売るとき) | △既存不適格と将来の山が残る | ◎安全基準を満たし山を先送り | ○順次満たす | Page 07で住まい方別に確認 |
| 工事中の生活影響 | ◎1台約9日 | △1台35〜50日 | △1台35〜50日を2回に分けて | ロープ式は1か月以上止まる |
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